先輩インタビュー

副主任 Sさん

どのような状況の患者さんの声にも、
真摯に耳を傾けられる看護師を目指して

私は看護師としては15年目です。今から3年ほど前、当院で脳神経外科診療が始まるというタイミングで、転職してきました。現在は、自分が希望していた脳神経外科病棟に配属され、副主任として働いています。
私にとって看護師という職業は、憧れというよりも、学生時代に経験した家族の大病からの回復などがきっかけで目指しました。中でも脳神経外科分野に進みたい、学生の頃からそう考えていました。
看護師の中でも、脳神経外科はハードルが高いと感じられるかもしれませんし、予後という意味では難しい部分があると思います。ただ、私自身の認識としては、「いきなりは亡くならない」という部分があると考えていました。実際、目に見えてよくなった人が身近に居たこともあり、そこまでのハードルの高さは感じなかったかもしれません。

看護師になってみて感じたのは、率直に大変ということです。中には、ケアの甲斐もなく亡くなられる患者さんもいますので、自分の頑張りとその結果とに矛盾を感じることもあります。しかし、自分たちの努力により病状が変化したときや、「ありがとう」や「あなたがいてくれてよかった」など、患者さんから直接の声として返ってくること、人と人との直接の関わりが大事になる仕事だということが、大きなやりがいにつながっています。
私が新卒で前の職場に入職した際、病気のケアだけではなく、患者さんとの関わりや、ベッド周辺の環境整備などについてかなり厳しく指導を受けました。このことは今での私の中で「基盤」になっていて、どこに行ってもブレない・無くならない部分だと思っています。私が教育の上で大事にしていることも同じで、看護師としての基本を大切に指導しています。
もちろん病気の部分で関わることも大切ですし、自分で勉強して知識をつけていくことも必要です。ただ、教科書で勉強したことと実際の患者さんは違います。どこが同じでどこが違うのか、それは実際の現場で見てみないとわかりません。そういう視点の分からないことをつなげてあげるのが、私たち先輩の仕事だと思っています。まずは、ベッド周りの片付けやごはん、トイレなどの充足、これが基本なのです。こうしたことは私たち看護師にとっては、ハードルが低いものです。そして逆に患者さんにとってはハードルが高いことでもあるのです。患者さんのもとに行き、患者さんの声を聞いてくるという点を、大事にしたいと考えています。

看護師として一歩踏み出しこれから当院で頑張っていこうと思っている方には、しっかりバックアップしていきます。「育ててあげる」のではなく、私たちも「一緒に成長していこう」と思っています。今、看護師1年目の方も来年は先輩になり、先輩1年目、2年目となって、みなさんが同じ階段を一歩ずつ上っていきます。私も先輩歴14年目です。私自身がこれまでに感じてきたこと、経験があればこそ、きちんと繋いでいきたいと思っています。